国会質問


日本共産党の堀川あきこ議員は14日、衆院復興・災害特別委員会で、能登半島地震被災者への支援について取り上げました。
自力での住宅再建が困難な被災者が多いもとでの災害公営住宅整備の進ちょく状況や家賃設定の検討状況を質問。国土交通省の横山征成大臣官房審議官は「現時点で約3000戸が必要で、今年度内には大半の市町で測量、設計に着手する予定で、各地域で整備が本格化する。収入が低い場合は低廉な家賃での入居が可能」だと述べました。
堀川氏は、住んでいた地域に戻りたいとの願いに応え「被災者の意向をきめ細かく把握し、民有地を含めた戸建ての災害公営住宅も大規模に進めるべきだ」と要求。横山審議官は「民有地や農地の活用を含め、戸建てや長屋型での整備も検討が進められており、きめ細かく寄りそった整備が進められるよう支援に取り組む」と答えました。
仮設住宅の原則2年の入居期限までに災害公営住宅の整備が進む見通しについては「完全に完成して全員が入れる見込みを公表できる段階にはない」と答弁。堀川氏は、入居期限の延長を決断し、周知するよう求めました。坂井学防災担当相は「入居期間の延長が必要であれば国として柔軟に対応する。石川県から相談があれば丁寧に対応したい」と答えました。
堀川氏は、1K・20平方メートルの狭い仮設住宅に2人で入居し、十分な睡眠が取れないなどの実態を示し、改善を要求。坂井担当相は「仮設住宅の空きが生じていれば、石川県や市町の判断で広い間取りの空き室に入居することは可能だ。石川県に周知する」と答弁しました。堀川氏は、漁業者への支援策の丁寧な周知も求めました。
(しんぶん赤旗2025年3月16日付掲載)より抜粋
議事録
堀川委員 日本共産党の堀川あきこです。能登半島地震から一年と二か月が過ぎました。地震、豪雨により住宅を失われた方々の住宅の確保と再建は、生活再建に必要不可欠な問題です。
日本共産党も運営に参加をしています現地のボランティアセンターからは、今、被災者の皆さんは住宅の確保や再建について不安を口にされることが多いというふうに聞いております。自力での住宅再建が困難な方、御高齢で今から再建しようという気になれない方の多くが災害公営住宅を希望されているということなんですけれども、現地の地方議員が集めたアンケートの声をちょっと紹介したいと思います。妻の介護施設の費用を毎月十二万払っている、公営住宅の家賃が払えるか不安だ、自宅再建のめどが立たないため公営住宅を希望しているが、その建設予定地や戸数が公表されていないので不安がある、こういう声が寄せられています。
能登には高齢者が多くて、低年金の方も多い地域です。公営住宅の家賃が払えるのか、自分がそこに入れるのか、見通しが持てないという不安が今たくさん出されています。災害公営住宅の整備の進捗状況、あとは家賃設定について今どういう検討がされているか、国交省、お願いします。
横山政府参考人 お答えいたします。能登半島地震に係る災害公営住宅については、各自治体による意向調査等が進められております。現時点で、十の市町において約三千戸が必要と見込まれているところでございます。
現在の整備の進捗状況でございますけれども、今年度内には、大半の市町において、先行して整備を進める地区の測量、設計に着手予定であり、今後、各地域における整備が本格化してくるものと認識してございます。
入居後の家賃についてでございますけれども、災害公営住宅では、入居者の収入や市町の立地条件等に応じて家賃が設定される仕組みになってございます。収入が低い場合には、低廉な家賃での入居が可能という仕組みになってございます。
引き続き、災害公営住宅の整備を円滑に進められるよう、被災した地方公共団体に対する支援に取り組んでまいります。
堀川委員 ありがとうございます。そういった情報を是非被災地の方々に十分に行き渡るように、努力をお願いしたいというふうに思います。
続いて、多くの方は、できることなら自分が住んでいた土地に住み続けたい、戻りたいというのが共通の願いかと思います。
災害公営住宅の建設についてなんですけれども、これまで集合住宅タイプのものがスタンダードのようになっているんですが、戸建ての建設もできるはずなんですよね。仮設にしても公営住宅にしても、平たんな土地が少ないから土地の確保がなかなか難しいというふうなことがよく言われるんですけれども、公有地にこだわらずに民有地の活用についても検討すれば、その可能性は広がるというふうに思うんですね。
例えば、穴水町の仮設住宅、石川モデルと呼ばれています。住民の方が所有している土地を町に寄附をして、将来的には居住者の買取りも可能になっている。その最大の魅力は、被災者が元々住んでいた集落、自分の家の近くであるということや、それがついの住みかにもできる、しかも、集合住宅ではない戸建て風の住宅を建てることができたというふうなところにあると思います。
ほかにも、民有地を活用した木造長屋の仮設も建設をされています。災害で突然家を失った被災者にとって、住居の確保は、ただ住むということだけではなくて、個人の尊厳や基本的人権の保障であり、コミュニティーの確保にもつながるものだというふうに思います。
被災者の方の意向をきめ細かく把握をして、民有地も含めた戸建ての災害公営住宅の在り方なども伴走型で大規模に進めていくべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
横山政府参考人 お答えいたします。災害公営住宅の用地につきましては、市町において選定が進められているところでございますが、民有地や農地の活用も含めて円滑に整備していくため、民有地を取得した場合に、家賃低廉化の補助期間を延長するなど支援の枠組みを整えるとともに、令和六年度補正予算で当面必要な予算を確保したところでございます。
これを踏まえまして、現に、被災者のニーズも踏まえて、地域の将来像なんかも踏まえながら、戸建て型や長屋型での整備についても多くの地区で検討が進められているものと承知してございます。
引き続き、地元のニーズにきめ細かく寄り添った災害公営住宅の整備が円滑に進められるように、支援に取り組んでまいりたいと考えてございます。
堀川委員 この災害公営住宅の問題は重要な問題だと思いますので、引き続き議論をしていきたいと思います。
公営住宅の見通しの問題に話を戻したいと思うんですけれども、仮設住宅の入居期限は原則二年、実際あと一年ということなんですけれども、この入居期限までに災害公営住宅の整備が進む見通しというのはあるのでしょうか。
横山政府参考人 お答えいたします。仮設住宅でございますけれども、基本的には応急的な住まいという位置づけでございます。できる限り早期に災害公営住宅などの恒久的な住まいが確保されることが望ましく、その供与には原則的な期限が御指摘のとおり設けられているものと認識してございます。
一方で、能登半島地震の被災地の被害は甚大で、多数に上る被災者の方々の御意向を伺いながら、地域の将来像を踏まえて適切に用地を選定していくなど、丁寧なプロセスを踏んでいく必要があると考えてございます。このような中で、被災自治体はなるべく早期に災害公営住宅の整備ができるように努力をされているものと認識しているところでございます。
お尋ねの、今後の災害公営住宅の整備の進捗の見込みについてでございますけれども、来年度中には過半の市町で先行して整備する地区の建設工事に着手されるということが現状で申し上げられる状況でございます。以上でございます。
堀川委員 今、被災者の方は見通しが見えなくて不安が渦巻いているということなんです。来年度、建設工事に入られるということなのであれば、一年後、仮設を出るということはなかなか難しいという認識でよろしいでしょうか。
横山政府参考人 将来の、今後の予定につきましては、まだ不透明な部分もございますので、皆さんが入れないと今の段階で断言できるわけでもございませんけれども、一方で、完全に完成して全員の方が入られるという見込みが今立っているかということでございましたら、今その見込みを公表できる段階にはないということでございます。
堀川委員 今、本当に被災者の方が不安を抱えておられます。今の答弁でいうと、来年、仮設を出て災害公営住宅に入れるかどうかの見通しというのは余り立っていないということだと思うんですね。被災者の方は、やはり、仮設住宅の入居期限というのは原則二年という頭がある中で、不安が広がっています。住宅再建のめどが立っていないのに二年で仮設からは出てくださいと言われても困りますというふうな声だったり、仮設の入居期限が少なくなってきて日々心細い思いをしていますと、たくさん出されているんですね。
今答弁あったように、とてもあと一年で確保できるような見通しではないということです。ただ、仮設の入居期限に関しては、次の住宅の確保が困難な場合、その期限の延長は可能というふうにされています。しかし、被災者の方は、こうした事実がしっかり周知をされずに、ただでさえ先の見えない不安の中で、むしろ原則二年という情報が更なる不安材料となり、ストレスになっているというのが現実です。 東日本大震災のときには、一年と一か月を過ぎた時点で、公営住宅の整備に時間がかかるからということで、政府は、一年延長を決定をされて、その通知を出しておられます。
被災者の方の不安を一つでも取り除くために、延長を決断し、通知を出して周知すべきと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
坂井国務大臣 東日本大震災や熊本地震等の際にも、最後のお一人まで生活再建の支援をし、そして、そのときまで仮設住宅をお使いをいただいていたということでございます。
ですから、入居期間の延長が必要であれば国としても柔軟に対応していこうと思っておりまして、しかし、この仮設住宅の入居期間の延長は、都道府県からの協議に基づき国が同意をする形で実施するという形になっておりますので、今回の場合でいけば、石川県から御相談があれば国として丁寧に対応してまいりたいと思っております。
堀川委員 是非、丁寧な対応を、速やかな対応をお願いをしたいと思います。
今、公営住宅の見通しが立たない中で、仮設住宅での暮らしが長引くということはもう明らかです。その生活環境はやはり人権を保障するものでなければならないというふうに思っています。
しかし、仮設での生活を送る方々から、狭いという声がよく聞かれるんですね。一K、二十平米に二人が入居しているというケースが多々あります。国の住生活基本法に基づく最低居住面積水準は、二人世帯だと二DK、三十平米となっておりまして、この基準を下回っているんですね。
実態がかなり深刻です。八十代の母と暮らす五十代の息子さんは、ベッドが必要な母親の横で、体の半分を押し入れの中に入れて寝ている。また、別の方は、母親と二人暮らしのある介護職員の方です、夜勤明けに家に帰っても、母親の体調も不安定なことがあって、横になることができない、なので車で仮眠を取っている、でも、このままでは体がもたないというふうにおっしゃっています。また、ある五人家族の実態、もう少し広い仮設だと思いますが、部屋が狭過ぎてストレスがたまり精神科に通っている、環境がよくないと医師が役所に頼んでも、空いている仮設を貸してくれない、対策として談話室を自由に使っていいということになったが、ゆっくり眠れる環境でもなく、ストレスは軽減されないと。これはかなり深刻なんですね。
住環境は、繰り返しますが、人権であり、個人の尊厳に関わることです。防災大臣、昨年十一月に能登に訪れて、十九の避難所でスフィア基準を満たしていると記者会見で発表をされました。同じ救助法の対象となっている仮設住宅は、避難所よりも劣悪な環境にあるというふうに言えると思うんです。
自治体任せにしないことが必要だと思うんですけれども、こうした実態と対応について大臣の認識を伺いたいと思います。
坂井国務大臣 能登半島だけではありませんが、今回、能登半島地震の被災者に対する仮設住宅の提供に際しましても、まず、市町において、被災された方々の今後の住まいに関するニーズを把握し、その結果も踏まえて、石川県において、必要な戸数、数でありますとか部屋のタイプなどを精査されたものと承知をいたしております。
被災者に提供する仮設住宅のタイプについては、石川県において、世帯人数に応じた間取りとすることを基本に対応されたものと承知しておりますが、入居を急ぐなどの御事情により、要は世帯人数が多くても狭い間取りの住宅に居住されているようなケースもあるということを聞いておりまして、そういった場合には、仮設住宅の空き室が生じていれば、石川県や市町の判断により、広い間取りの空き室に入居いただくことは可能でありますので、その旨、石川県には周知をしてまいりたいと思っております。
こうした事例の周知を図りつつ、良好な居住環境というのは確かに必要でございますので、確保に努めてまいりたいと思います。
堀川委員 是非、本当に深刻な実態になっておりますので、丁寧に相談をされて対応をお願いをしたいというふうに思います。
最後に、質問です。この間、珠洲市の蛸島漁港の漁師さんから相談が寄せられました。地元の魚屋さんが再開しようとしているんですけれども、そこに並べる魚がないと。地元の方々は、新鮮な魚が食べられるということで、その魚屋さんをとても楽しみにしておられるそうです。こうしたことも後押しになって、漁に出ようという漁師さんが出てきている。しかし、船小屋や定置網などの漁具も壊れてしまってお金がかかってしまうということで、支援制度につなげて、時間はかかったんですけれども、大変安心をされました。
ただ、おっしゃっていたのは、知り合いの漁師さんはみんな高齢で、インターネットも使えないし、こうした制度を知るすべもない、地元の漁協も職員が被災してなかなか大変だということで、一人一人の漁師さんに対面で丁寧に説明すれば……
金子委員長 申合せの時間が終わりましたので、御協力お願いします。
堀川委員 はい、分かりました。前を向こうという漁師さんもいるということです。
是非、こういう丁寧な伴走型の支援をお願いしたいと思うんですが、最後、済みません、一言お願いします。
金子委員長 簡潔にお願いします。
庄子大臣政務官 お答えをいたします。今御指摘のように、十分に情報が届いていないということについて御指摘でございます。
これまで農水省としては、県と連携をしながら、現地で説明会などを行ってまいりました。これからもより丁寧に、また、被災者の方々に届くようにしっかり対応させていただきたいというふうに思っておりますので、何かお気づきのことがありましたら、また御指摘をいただきたいと思います。
堀川委員 ありがとうございます。終わります。