国会質問


日本共産党の堀川あきこ議員は6日の衆院予算委員会で、全国の大学で相次ぐ学費の値上げを止めるため、国が責任を持って予算措置するよう政府に迫り、「軍事費よりも教育にこそ予算を回すべきだ」と訴えました。
堀川氏は「日本の高等教育に対する公的支出は世界でも最低水準だ」と強調。OECD(経済協力開発機構)諸国でも下から3番目である実態を示しました。
また560万円を超える奨学金を借りながらアルバイトし、親もローンを組んでいるなどの学生の厳しい実態も示し、「学費の負担は限界を超えている。これ以上の値上げは進学の機会を奪いかねない」と指摘。国立大学の運営費交付金や私立大学の私学助成も前年と同額が計上されているとし、「政府は授業料引き上げを放置するのか」と追及しました。
堀川氏は、学費値上げを止めるために、国立大学100億円、私立大学と専門学校860億円の計1000億円の予算措置を求めました。阿部俊子文部科学相は「大学の授業料値上げは各法人で判断していくものだ」などと国の責任を投げ捨てる姿勢を示しました。
堀川氏は、政府が2012年に国際人権規約の高等教育無償化に関する留保を撤回したのに無償化どころか授業料値上げが起こっているとし、「明らかに無償化をめざす政府の立場から逆行している」と追及。文科省の伊藤学司高等教育局長は「具体的な方法は締約国に委ねられている」と開き直りました。
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日本共産党の堀川あきこ議員は6日の衆院予算委員会で、大学の授業料値上げが相次ぐなか、政府が拡充を打ち出す低所得者層を対象とした修学支援新制度が、困窮する学生ほど救われない制度となっている実態を示し、見直しを求めました。
堀川氏は、修学支援新制度について、学業要件の一つであるGPA(履修した科目の成績の平均値)が相対評価で、「どれだけがんばって優秀な成績であっても、学部全体が優秀な学生ばかりだと本人の努力とは無関係のところで評価が決まってしまう」と指摘しました。
GPAは、下位4分の1に入ると「警告」を受け、2年連続すると支援を打ち切られる過酷なしくみ。質疑では警告を受けた学生のうちGPAによるものが9割にのぼることも明らかになりました。
堀川氏は、授業料減免と給付型奨学金がセットになった同制度の支援金額も不十分なため、「困窮する学生ほど、生活のためにアルバイトをせざるを得ず、そのうえ他の学生と競って相対評価を上げなければならない」と指摘。5万人を超える学生が支援を打ち切られたことを示し、「低所得の学生の教育を受ける権利を奪うものだ」と批判しました。
阿部俊子文部科学相は「公費を投じる給付学生としてふさわしい者に支給することを明確にする必要がある」と困窮する学生に冷たい姿勢を示しました。
堀川氏は「GPAの要件は廃止し、学業要件そのものの根本的な見直しを行うべきだ」と迫りました。
(しんぶん赤旗2025年2月7日付掲載)より抜粋
資料
議事録
堀川委員 日本共産党の堀川あきこです。 文部科学大臣にお聞きをしていきます。まず最初に、修学支援制度についてお尋ねをします。
来年度の東京大学など、この間、授業料値上げを決定する大学が相次いでいます。高等教育無償化に逆行しているのではないかとお聞きしますと、授業料は法令に基づいて各大学において適切に設定をされている、あるいは、低所得者層を対象とした修学支援制度、これを更に拡充していくんだという答弁がこれまで繰り返されてきました。この立場にお変わりはないでしょうか。端的に答弁をお願いします。
あべ国務大臣 はい、変わりはございません。
堀川委員 来年度から、この修学支援の新制度、対象が更に多子世帯や中間層へと拡大をされていくということが言われておりますが、修学支援の新制度そのものについて、根本に関わることについてお聞きをしていきたいというふうに思います。本当に低所得者世帯を救う制度になっているのかということです。
資料一、皆さんにお配りしているんですけれども、この制度は、支援を継続させていくための適格認定基準というものがあります。出席率、取得単位、そしてGPAという三つの学業要件について毎年認定を受けなければなりません。
このうちGPA評価とは、簡単に言うと学生が登録した単位の成績の平均値で、特徴として相対評価であるということがあります。つまり、どれだけ頑張って優秀な成績を取ったとしても、学部全体が成績の高い学生ばかりだったら、本人の努力とは無関係のところで評価が決まってしまうということがどうしても起きてくるわけです。
GPAはこうした評価であるということを文科省は認めますか。
伊藤政府参考人 ただいまGPAについてのお尋ねを頂戴いたしました。
GPAは、評定という相対評価によるものでございますが、これは、客観的な成績評価を行う方法として広く大学で導入をされてございます。また、学生等に対する履修指導や学修支援と一体的に運用されているなどの利点や効果等があるものでございまして、学業要件の一つとして設定をしているものでございます。
堀川委員 明確な答弁、いただけなかったと思うんですけれども、こうした評価であるということは違いないというふうに思います。
このGPA要件なんですけれども、クリアできなかったらどうなるかということを御説明いただきたいんですが、お願いします。
伊藤政府参考人 学業要件の判定におきまして、GPA等が学部等における下位四分の一に属することに該当した学生については、一回目の場合は、支援を受ける学生等に対し成績の改善などを促しつつ支援は継続する、警告というもの。そして、これが二回連続になりましたら、支援は一旦停止するものの、次の判定で廃止や警告に該当しない場合には支援を再開する、停止。三回連続しました場合には、支援の打切りとなる、廃止。このような形になるところでございます。
堀川委員 その措置は二〇二三年度からですよね。それまでは、二回警告を受けたとすると、それは即、支援の打切りとなっていた。二〇二三年度から、一旦中断をする、そして様子を見るということで、そういう措置がされているというふうにお聞きをしています。警告が二回続いたら今年度から支援の中断ということになるわけなんですけれども、支援を受けられなくなるというのは同じだというふうに思います。
もう一つお聞きしたいんですけれども、二〇二三年度、この学業要件によって警告を受けた学生数と、そのうちGPA評価による警告は何人で、それは警告を受けた全学生の何%か、お答えください。
伊藤政府参考人 お尋ねのございました令和五年度、二〇二三年度末に学業要件の認定を受けた約二十五万七千人のうち、警告となったのは約三万人となってございます。このうち、GPA等が学部等における下位四分の一に属することにより警告となった者は約二万八千人であり、警告を受けた学生数の九二・五%となってございます。
なお、学業要件の判定を受けた学生全体、二十五万七千人に占める割合は一〇・八%となってございます。
堀川委員 資料一にもその数字をお示ししておりますが、かなり割合が大きいわけなんですよね。警告を受けた学生のうち、GPA評価で警告を受けているという学生の割合がかなり大きいということになっています。 このGPA評価ですが、GPAの下位四分の一で線引きをしているということなんですが、その根拠はどこにあるのでしょうか。
伊藤政府参考人 高等教育の修学支援新制度におきましては、平成二十九年度に創設をされました旧給付型奨学金における警告の要件とし、GPAが下位二分の一であることを目安としていたことを踏襲しつつ、進学の後押しをするだけでなく、その後の修学を積極的に支援するものであること、また、支援が公費で賄われるものであること、警告を連続して受けた場合には支援を打ち切ることとしたことなどを総合的に勘案し、GPAが下位四分の一の場合には学業要件を満たさないとしたところでございます。
堀川委員 はっきりとした根拠があるわけではないというふうに思います。
この支援制度は、授業料減免と給付型奨学金がセットになっている制度です。授業料減免については、国公立は上限額が授業料標準額のおよそ五十四万円、私立は上限額が七十万と設定をしてあります。給付型の奨学金については、国公立に関しては、自宅生で最大、月額で二万九千二百円、自宅外で六万六千七百円、私立の場合は、自宅生で三万八千三百円、自宅外で七万五千八百円ということで、所得区分によってまた受けられる額も違ってくるということになるわけなんですが。
低所得世帯の学生の皆さんは、この上限額あるいは給付額では全てカバーできずに、結局はアルバイトをせざるを得ない状況にあるということがあります。
国立大学のある学生の方でこの支援制度を受けられていた方なんですけれども、授業料満額の減免と、そして給付型奨学金も満額支給をされていたんですけれども、それだけでは生活費が賄えないということで、アルバイトが必要だったそうです。なかなか自分の専攻の英文の参考書を十分に読み込む時間が確保できなかったそうです。この学生さんは、警告が二回出されてしまい支援が打ち切られたわけなんですけれども、この原因は、単位数でも、出席率が足りなかったわけでもなくて、GPAで支援が打ち切られたということなんです。
大臣にお聞きしたいんですけれども、困窮する学生ほど生活のためにアルバイトせざるを得ず、その上でほかの学生と競って相対評価を上げなければならない、こういう制度設計にこの支援制度はなってしまっていると思うんですが、このことはお認めになりますか。
あべ国務大臣 委員にお答えさせていただきます。
やはり、経済的な理由で学生が学びを諦めないようにすることはまさに重要だというふうに私どもも考えておりまして、授業料及び入学金の減免、給付型奨学金や貸与型奨学金の経済的支援については充実を図ってまいりました。 一方で、学生がアルバイトに費やす時間とその背景は学生によって様々な要因があるということも言われているところでございまして、私ども、特に経済的にお困りの方々に対しては、いわゆる授業料などを除く学生生活費の水準を総合的に勘案をさせていただきながら、学生生活費を賄える額となるように設定をさせていただいているところでございますが、学業と適切に両立ができるような形で、引き続き学生の経済的負担の軽減に努めてまいります。
堀川委員 お答えいただいていないと思うんですけれども。
もう一つ、GPA評価の弊害について、実態を紹介させていただきたいと思います。
このGPA評価というのは、登録単位数が多ければ多いほど下がるリスクが高まる、そういう仕組みになっています。学生たちが新しい学びに何か挑戦するよりかは成績をいかに下げないかというところに意識が向いてしまって、登録単位を絞っていくという現象が起きています。
ある大学教員のところには、どういう授業を取ったらGPA評価を下げない成績が取れますかと学生さんが相談に来られるそうです。一人や二人ではないんですね。この支援制度を受けている学生たちは、いかに成績を落とさないように、常にプレッシャーを感じている、焦らされているという声は、私もたくさんの学生さんから聞いてきました。
このGPA評価という基準は学生の学びの機会を狭めてしまっているという実態を大臣は御存じでしょうか。それでもこの評価基準は適切というふうにお答えでしょうか。お願いします。
あべ国務大臣 学生の履修の選択は様々な理由で私ども行われているものと承知しておりまして、必ずしも学業要件にGPAを用いることによっての履修選択にゆがみが生じているとは考えていないところでありますが、そうした中で、やはり、修学支援新制度に関しては公費によって支援を行う制度でございまして、そうすると、公費を投じる以上、社会的にも理解が得られるような学生に対して支援を行う必要があるんだと思っておりまして、客観的な成績評価を行う方法として、この広く導入されているツールを私ども今使わせていただいているところでございますが、学生等における履修指導また学修支援と一体的に運用されている利点の効果を踏まえて設定をさせていただいているところでございます。
また、繰り返しになりますが、公費を投じる給付学生としてふさわしい者に支給することを明確にする必要がありますので、この取扱いは妥当であるというふうに考えております。(発言する者あり)
安住委員長 御静粛に。
堀川委員 今、私は、このGPA評価があることで登録単位数を絞っていくという現象が現に起きている、ゆがみが生じている、そういう実態が現に起きているということを申し上げたわけです。そのことをお認めにならないということでの今の答弁だったというふうに思います。
続いて、資料の一でもお示ししているんですが、支援制度が廃止、つまり打切りとなった学生は、この四年間で五万百九十一人にも上っているわけです。今年度から、先ほど説明のあった、一旦中断をする停止措置というものが導入をされて、その措置をされている学生さんが八千八百八十七人いるということです。
廃止となり支援が打ち切られた学生たちがその後学業を継続できているかどうか、文科省は把握をされていますか。
あべ国務大臣 この制度によって支援が廃止となった学生の学修の継続状況を、網羅的な把握は今現在しておりませんが、例えば、大学関係者に関しまして、学業要件に関する警告、廃止となった学生に対してどういう学修の支援や生活支援を行っているかについて現在アンケートを実施しているところでございまして、必要に応じ、その実態の把握を行うこともしっかりと検討してまいりたいというふうに思います。
堀川委員 私がなぜこのことを聞くかというと、元々低所得世帯の学生が授業料減免と給付型奨学金がセットになっているこの支援を打ち切られてしまったら、学生は学び続けることが、それ自体が困難になってしまうんですね。
そもそも授業料の減免というのは、教育基本法の第四条に基づいた奨学のための措置のはずなんです。これが廃止、打切りとなってしまえば、学生の教育を受ける権利そのものを奪ってしまっているということに等しいと言わなければなりません。
昨年、私が特別国会のときに質問主意書でこの実態調査をせよということを求めたわけですけれども、検討をしていくと先ほど大臣もおっしゃいました。例えば、今年度予算にそのための予算は計上されているのでしょうか。お答えください。
あべ国務大臣 先ほども申し上げましたが、必要に応じて、私ども、やはり、今後調査を実施することも含め、学生の実態把握を行うことを検討してまいりたいというふうに思います。
その実態把握を行うことにしては検討してまいりますが、その際、予算計上は必ずしも必要ではないというふうに考えているところでございます。
堀川委員 このGPAという学業要件は、低所得世帯の学生にとって弊害となっていることは明らかだというふうに思います。支援を打ち切られた学生は、自分のせいだというふうに言われているようで、周りにも何にも言えないんですね。このGPAの要件は廃止すべきであり、学業要件そのものの根本的な見直しを行うべきだというふうに思います。
しかし、この制度、来年度からGPAの要件以外は厳格化されるというふうなことになっているわけですが、支援制度の対象を、最初の枠は広げるということですが、継続して支援を受け続ける学生を更に狭めることにならないかということは指摘をしておきたいというふうに思います。
続いての質問に入っていきます。大学の授業料に関してです。
日本の高等教育に対する公的支出は世界でも最低水準です。資料の二にOECD諸国のグラフを掲示しているわけですが、下から三番目というところです。こうした中で、大学への補助金が削られてきたということを我が党は再三指摘をしてまいりました。
先日、NHKの「クローズアップ現代」で、この大学の学費、これからの大学の在り方について特集が組まれていました。その中で、学費の値上げを実施あるいは検討している大学が既に七割にも及んでいるという調査が報告をされておりました。この番組の冒頭で、既に学費値上げを実施されている大学生が五百六十万を超える奨学金を借りながらアルバイトをしている、さらに、親御さんにローンを組んでもらっているというお話がありました。
私自身も、この間、たくさんの学生さんからこういう実態をお聞きをしてきました。奨学金は借金漬けになるから借りなかったんだ、でも、生活費は自分で何とかしないといけないから夜の仕事を探そうと思っている、あるいは、節約のために、電気をつけずに自分の携帯のライトで勉強をしたり、暖房をつけずに厚着して調節をしている、こういう学生さんがいらっしゃいます。
また、保護者の方からも、子供に希望の進路に進んでもらいたいけれども、学費と生活費がただただ不安だ、子供たちに借金を背負わせたくはないので親が借金しようと考えているというふうにおっしゃっていました。
この学費の負担というのは、私は限界を超えているというふうに思います。これ以上の値上げは進学の機会を奪いかねません。しかし、来年度の運営費交付金も私学助成も、昨年とほぼ同じ金額が計上されています。
政府はこの授業料の引上げを放置するのかということをお聞きしたいんですが、答弁をお願いします。
あべ国務大臣 大学の授業料に関しましては、今の学生の教育環境の充実のために、関係法令に基づきまして、設置者において適切に設定をしていただくものだというふうに思っているところでございます。
そうした中で、やはり、教育のアクセス、経済的理由で学ぶことを諦めてはならないというふうに私どもは考えておりまして、高等教育の負担軽減に取り組んでいきながら、限られた財源の中で、次世代の負担を考えながら、何を今していくべきかということをしっかり文部科学省としても議論してまいりました。
堀川委員 値上げは止めないという御答弁だったというふうに思います。
大学が授業料を値上げせざるを得ないのは、運営費交付金や私学助成が不十分だからということを再三指摘をしてきました。このことは、大学からも声が上がっています。
資料にお示ししています。昨年の京都新聞による、京都、滋賀の国公立大学へのアンケート調査です。
多くの大学、京都の大学ですが、学費値上げは検討していないというふうに答えながら、同時に、授業料引上げは国立大の受験生を減少させるおそれがあり、中長期的に日本の研究力の低下を招く、平等な高等教育の機会の提供が大学の使命である、財源負担を学生に求めるのではなくて国が財政支出を行うべきだ、こうした声が相次いでいます。
こうした大学の声は今回の予算に反映されているのでしょうか。お答えください。
あべ国務大臣 文部科学省といたしましては、国立大学法人の運営費交付金、また私学助成の機関支援と給付型奨学金の個人支援、この両方を組み合わせていきながら予算確保に取り組んできたところでございます。 今、大学法人の運営費交付金につきましても増額を百億円したところでございまして、私立大学に対しても同等の支援として八百六十億円の助成を行うものというふうに承知しているところでございまして、大学全体も、私ども、少子化を迎える中で、しっかりとめり張りをつけた支援対策を進めてまいりたいというふうに思います。
堀川委員 そうした措置で、学費値上げをやめますといった大学は出てきておりません。
私たち日本共産党は、せめて学費値上げだけでも止めるべきだということで予算措置を求めています。国立大学に対してはおよそ百億円、この間削減されてきた運営費交付金千六百億円のほんの一部を戻すだけで実現ができるんです。そして、先ほど大臣からもありましたけれども、私立、専門学校には八百六十億円程度の予算。
およそ一千億の予算があれば、それを学費値上げストップのために使えということを文部科学省から言えば、ストップできるというふうに思うんですが、この予算措置、やるべきではないでしょうか。
あべ国務大臣 済みません、先ほどのところでも、そちらの、御党の御提案のところを、私ども御提案をいただいているというふうに承知をしているところでございますが、しかしながら、私どもといたしましては、繰り返しになりますが、先ほど私が御党の方の御提案をそのまま読み上げてしまって大変申し訳ございませんでした。そうした中で、私どもは、私学助成などの機関支援と個人支援の両者を組み合わせていきながら、予算確保をしていきながら、やはり、大学のいわゆる授業料の値上げに関しましては各法人で判断していくものというふうに承知をしているところでございます。
堀川委員 大学の授業料の引上げは、国の責任そのものが問われている問題だというふうに私たちは再三指摘をしてきました。その原因が運営費交付金の削減にある、あるいは私学助成が不十分であるということも指摘をしてきました。大臣のさっきからの御答弁は、まさに国の責任を放棄しているというふうに捉えられても仕方がないというふうに思います。
その問題で、二〇一二年の九月、国際人権規約A規約十三条の二項(b)、(c)の留保が撤回をされました。
昨年の三月十三日の文部科学委員会で、我が党の宮本岳志前衆議院議員が、この留保撤回によって、日本政府はこれらの規定に拘束される、つまり、段階的ではあっても、やがては全ての学生の学費は無償にすべきである、こういう立場に立ったということで間違いないかと質問したときに、高等教育局長は、漸進的に無償化に向けて取組をしていくと答弁をされました。
しかし、今、大学の授業料の値上げが起こっているということなんですが、このことについて改めて認識を問いたいのですが、学費無償化どころか値上げに向かっている、この状況は明らかに無償化を目指すという政府の立場から逆行しているのではないですか。お答えください。
安住委員長 時間が間もなく終わりますので、最後の答弁にします。
伊藤政府参考人 お答え申し上げます。高等教育における無償教育の漸進的導入につきましては、我が国は社会権規約を踏まえて取り組んでいるところでございますが、その具体的な方法については規約の締約国に委ねられていると承知をしてございます。
文部科学省としては、これまでも、低所得者世帯を対象とし、高等教育を無償化する高等教育の修学支援新制度の対象拡大に取り組んできたところでございますし、また、令和七年度からは、多子世帯の学生等について無償化の対象を拡大することとしてございまして、引き続き、漸進的無償化の取組を進めてまいりたいと考えております。
安住委員長 堀川さん、まとめてください。まとめるというか、終わってください。
堀川委員 はい、まとめます。教育にこそ今こそ予算を回すべきだというふうに思います。軍事費よりも教育予算へ。このことを最後に求めまして、質問を終わります。以上です。