国会質問

第217通常国会(2025年)

イージス艦以上も寄港可―舞鶴基地整備。祝園弾薬庫の増設計画、饗庭野実弾演習の場外着弾事故


 日本共産党の堀川あきこ議員は2月28日の衆院予算委員会分科会で、全国で進む自衛隊基地強化が住民の命と暮らしを脅かしていると批判しました。

 堀川氏は「海上自衛隊舞鶴基地(京都府舞鶴市)は安保3文書に基づく敵基地攻撃能力の前線基地であり、そのバックヤードとして祝園(ほうその)弾薬庫(同精華町)も拡張されている」と指摘。「舞鶴の港湾整備は、イージス艦を上回る能力のイージス・システム搭載艦も寄港できるようにするものか」とただしました。

 中谷元・防衛相は、「イージス艦以上の能力を持つ大型艦の寄港も可能」にする工事だと認めました。堀川氏は「敵基地攻撃能力の拠点化が一層進む」と批判しました。

 堀川氏は、舞鶴基地の弾薬整備補給所に、日本政府が400発のトマホーク購入を契約している米国の軍需産業レイセオン社の技術者が出入りしていると告発。「舞鶴基地でトマホークの整備をすることはあるのか」と迫りました。中谷防衛相は「整備場所はまだ検討中だ」として否定しませんでした。

 堀川氏は、祝園弾薬庫の増設計画では、町や隣接する京田辺市との協議や周辺住民への説明がないと指摘。弾薬の中身も地元の消防には知らされておらず、事故が起きたときの住民の命の保障も想定されていないと批判し、住民説明会の開催を求めました。

 堀川氏は、陸自饗庭野(あいばの)演習場(滋賀県高島市)で多発する実弾演習での場外着弾事故について、狭い演習場での実弾演習に構造的問題があるとして、「唯一の再発防止策は実弾演習をやめることだ」と主張しました。

(しんぶん赤旗2025年3月2日付掲載)より抜粋

資料

議事録

堀川分科員 日本共産党の堀川あきこです。よろしくお願いします。

 まず最初に、饗庭野演習場での実弾演習事故についてお聞きをしたいと思います。

 二月三日、滋賀県高島市にある饗庭野演習場での実弾訓練で、百五十五ミリりゅう弾砲が場外へ飛んでいった可能性があるという事態となり、いまだに見つかっておりません。この件以前にも饗庭野では、二〇一五年以降、四回、実弾の場外着弾事故が起きています。

 先日、私は、この饗庭野演習場の周辺に住む方々を訪ねてきました。皆さん、怒りと恐怖を抱えておられます。ある方は、騒音がひどく震動もする、いつ自分の家に飛んでくるかという不安が常にあると。この方は演習場から十キロ離れたところに住んでおられます。また、別の方は、演習場を通る国道で車を走らせるとき、いつ角度を間違えてこっちに弾薬が向かってくるかと気が気でないということをおっしゃっていました。この間の相次ぐ事故があるからこそ、安全が保障されていないからこそ、出される声だと思います。五件もの事故が相次ぐ中で、饗庭野演習場での演習が住民の命と暮らしを脅かしているのは明らかです。

 防衛省はこの住民の声を重く受け止めるべきと思いますが、大臣、いかがでしょうか。


中谷国務大臣 今月三日に滋賀県の饗庭野演習場において、百五十五ミリりゅう弾砲が射撃中に一発弾着が確認できない事案が発生をいたしました。

 この点につきましては、地元の皆様には大変な御不安や御迷惑をおかけをいたしておりまして、特に住民の皆様には御不安を与えたということにつきましては、心からおわびを申し上げたいというふうに思っております。

 現在のところ部外からの被害の連絡はありませんけれども、弾着地につきましては、保安用地を含む演習場境界付近の内側と見積もっておりまして、現在も捜査中でございます。

 詳細につきましては調査中ということでございますが、このような事案が発生をし、地元の皆様に御心配をかけていることを大変申し訳なく思っておりまして、今後、早急に原因を究明をした上で、再発防止を徹底してまいりたいと考えております。


堀川分科員 再発防止を徹底したいとおっしゃっても、事故が繰り返されているのが現実です。

 お聞きしたいのは、ほかの演習場でも饗庭野のような着弾事故が過去に起きているのでしょうか。お願いします。


大和政府参考人 お答え申し上げます。饗庭野演習場以外の演習場における自衛隊による場外着弾につきましては、確認できる限りでは、平成十三年九月、福島県の白河布引山演習場における百五十五ミリりゅう弾砲FH70の実弾射撃訓練において、演習場外に着弾した一件がございます。


堀川分科員 ほかの演習場では一件だけと。九年間で五件という饗庭野の事故数は異常だと思います。このことを防衛大臣、どう認識されておられますか。


中谷国務大臣 今般の原因については調査中でありますが、誠にけしからぬことでありまして、やはり基本事項が守られていない、射撃を行う隊員のそれぞれの安全確認とか射撃要領とか基本事項がありますので、そういった基本的なことが守られていないということが、非常に、我々にとりましても、深刻に受け止めなければならない点でございます。

 今回の件の原因究明も含めまして、今後の再発防止策、真剣に踏まえまして、この実施に向けて全力を挙げて取り組みたいと思っております。


堀川分科員 あくまで人的ミスということが繰り返し主張されるわけなんですけれども、私は、なぜこんなに饗庭野で多発するのかという原因の究明が今求められているというふうに思うんです。

 資料の一を御覧いただきたいんですけれども、饗庭野演習場の広さですけれども、東西に六から七キロ、南北では四から五キロ、実弾訓練の射程距離は二・五から四キロという狭い演習場なんですね。 この一覧には、これまでの事故で使用された弾薬の射程距離をお示ししています。二〇一五年の重機関銃は六・七キロ。二〇一八年、一九年、八十一ミリ迫撃砲は五・六キロ。二〇二一年の百二十ミリ迫撃砲は十三キロ。今回、百五十五ミリのりゅう弾砲は二十四キロという射程距離です。

 中部方面隊の演習場で、百二十ミリの迫撃砲や百五十五ミリのりゅう弾砲の実弾演習ができるのは饗庭野だけ、加えて、一年の稼働数が三百日を超えている演習場です。

 要は、饗庭野演習場は、狭い上に、すぐそばに民家もある、交通量の多い国道も通っているのに、そういう狭さを優に超える射程距離の実弾演習が密にやられている、こうした環境では、一歩間違えば、言うなれば、人的ミスがあれば場外に弾が飛んでいくというのは十分に起こり得ることだというふうに思うんです。

 この饗庭野という場所に要因があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。


大和政府参考人 お答え申し上げます。 一般に自衛隊の訓練は、その内容や規模、実施部隊、演習場などの使用状況などに応じて、それぞれ適した演習場などを使用して実施しておりまして、饗庭野演習場においても必要な訓練等を実施してきております。

 また、このような観点から、例えば、中部方面隊の部隊が実施する訓練であっても他の方面区にある演習場に赴いて実弾射撃訓練等を実施することもございます。

 今後、事故調査委員会における原因究明及び再発防止策を踏まえ、その着実な実施に努めてまいります。


堀川分科員 大臣にお聞きしたかったのですが。続いての質問です。

 この饗庭野で実弾演習をやることに限界があるというのは明らかだと思います。事故調査委員会、おっしゃいましたけれども、そのメンバーも自衛隊関係者のみということで、在り方として不健全としか言いようがありません。防衛省から独立した第三者委員会を立ち上げて、これまでの再発防止策の検証や、演習場に起因する要因について調査することを求めたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。


中谷国務大臣 先ほど答弁したように、訓練というのは、饗庭野演習場に限らず、全国での演習場で実施しているわけでございまして、その規模とか状況に応じて饗庭野を使っているわけでございます。  現在、事故につきましての原因を究明をいたしまして、地元の部隊、また陸上自衛隊の総監部が今徹底して実態調査をして、原因を究明をしております。特に、長距離の射撃につきましては、構造的な特殊性からその取扱いには特別の配慮を要するために、専門的な知識、資料を有して、秘密保全に問題のない自衛隊において調査をしているというところでございます。


堀川分科員 もう五回も起きているので、構造的な調査をやるべきだということを改めて申し上げたいと思います。

 狭くて危険な饗庭野演習場での事故の一番の再発防止策は実弾演習をやめることだということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。

 続いて、安保三文書に基づく京都の軍拡計画についてです。京都の舞鶴にある海上自衛隊基地では、イージス艦や地方総監部の地下化など、敵基地攻撃能力の拠点としての具体化が進んでいます。イージス艦にトマホークを配備するための予算が来年度予算案でも計上されて、舞鶴にある二隻にも順次搭載をされていくと。しかし、こうした計画がほとんど舞鶴市にも住民にも知らされていません。  お聞きしたいのは、イージスシステム搭載艦についてです。

 このイージスシステムは、二〇一二年、安倍政権のときに配備計画が断念をされたイージス・アショアの代替として、二〇一七年、菅政権の時期に導入が決定をされました。資料二に、このイージスシステム搭載艦について、他の艦艇との比較を示しています。一隻当たりの建造費が三千九百二十億、全長は百九十メートル、幅二十五メートル、基準排水量が一万二千トン。下に示しております海自最大のイージス艦である「まや」型イージス艦あるいは海自最大の護衛艦である「あたご」と比較しても、基準排水量や大きさ、経費など、どれも上回る数値になっております。ここにトマホークや一二式地対艦誘導弾、さらに、極超音速兵器の迎撃ミサイルなどが搭載をされていくと。大型化するのは日本海の荒波にも耐えられるようにと説明も受けました。

 このイージスシステム搭載艦、スーパーイージス艦とも呼ばれているようですが、イージス艦を上回る能力になるのではないでしょうか。


嶺政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘のように、本イージスシステム搭載艦の規模につきましては、既存イージス艦である「まや」型護衛艦と比べ寸法、排水量ともに大きくなっております。それに伴いまして、荒れた海象におけるような任務の継続性あるいは乗員の居住性等、そういう性能面からの点でも向上しているというところでございます。


堀川分科員 規模にしても性能にしてもこれまで以上だということだと思います。

 このイージスシステム搭載艦は、二七年度、二八年度と任務開始になるということですが、寄港が想定される港として、舞鶴を含む五つの総監部がある港が挙げられています。来年度予算案で舞鶴の港湾のしゅんせつ工事の予算が上げられておりますが、この港湾整備はイージスシステム搭載艦も寄港できるようにするものでしょうか。大臣、お答えください。


中谷国務大臣 令和七年度の予算案におきましては、大型艦艇の運用の効率性、安全性を確保する観点から舞鶴におけるしゅんせつ工事に係る経費を計上しておりまして、この工事の実施によりまして、これまでより大型の艦艇も接岸が可能ということで、これはイージスシステム艦のみならず、それ以上の大型艦も寄港できるということでございます。

 近年、北朝鮮のミサイルの技術が急速に進展しておりまして、射距離にしても目標を狙うことにしても精度が上がってきておりますので、我が国といたしましても、あらゆる事態に対応できるための装備、また訓練も必要でございます。

 こういう点におきまして、このしゅんせつ工事を通じまして大型艦も着港できる工事をしているということです。


堀川分科員 このイージスシステム搭載艦の入港が舞鶴にも可能になるということです。イージス艦二隻に加えて、イージス艦以上の能力を持つイージスシステムが寄港すると。舞鶴では敵基地攻撃能力の拠点化が一層進むということだと思います。

 続いて、基地内にある弾薬整備補給所についてお聞きをしたいのですが、ここにはUSオンリーと表記をされた技術支援室という部屋があり、そこにはアメリカのレイセオン社の技術者が出入りをしているということです。

 ちょっと時間の関係で次の質問を飛ばさせていただいて、その次の質問に移りたいのですが、このレイセオン社というのは、日本が今後トマホークを四百発購入する契約を結んでいるアメリカの軍需産業です。つまり、このトマホークの整備を舞鶴の整備場でやるということもあり得るのでしょうか。大臣、お答えください。


中谷国務大臣 自衛隊に配備されるトマホークの整備場所につきましては、現在検討中でございます。


堀川分科員 可能性があるということを否定されませんでした。

 この整備補給所には日本の企業の技術支援室もあり、レイセオン社からアドバイスを得ることもあると事前に回答がありました。トマホークは核弾頭も搭載できるものがあるというふうに言われておりますが、まさかとは思いますが、核が持ち込まれるようなことは絶対にあってはなりませんが、ないですね。確認をお願いします。


中谷国務大臣 我が国は、持たず、造らず、また持ち込ませず、認めないという非核三原則を堅持しておりまして、米国もこの非核三原則に係る我が国の立場、これはよく理解していることから、御懸念のような事態は想定をされません。

 その上で申し上げますと、トマホークにつきましては、現在米軍が使用しているもの及び我が国が取得しているもののいずれにつきましても、通常弾頭の精密誘導ミサイルでありまして、核弾頭を搭載するということはできません。


堀川分科員 唯一の戦争被爆国として、非核三原則の立場を堅持するべきだというふうに思いますし、今年は被爆八十年の年です。核兵器禁止条約の締約国会議も開催をされます。この立場をやはり堅持するべきだということを改めて私からも申し上げたいというふうに思います。

 この舞鶴の基地は、隣接する形で民家や公園があるんですね。地下化される総監部のすぐそばに移転を計画しているという保育園もあると地元の方からお聞きをしました。周辺住民や舞鶴市に十分な説明もなくこうした危険な計画が進んでいるということなんですけれども、少なくとも住民説明会はやるべきだということは求めておきたいというふうに思います。

 続いての質問に移ります。 京都府精華町にある祝園弾薬庫についてです。

 今、全国で弾薬庫を増設する計画が進んでいますが、祝園は、予算規模も速度もほかの弾薬庫以上のものになっています。来年度、弾薬庫八棟の工事着工に入り、さらに、六棟の新設に向けての三棟の調査、設計予算が百九十七億計上をされております。この祝園弾薬庫は、陸上自衛隊基地ですが、海上自衛隊とも共用されることになるということです。

 舞鶴が敵基地攻撃能力の前線基地であり、そのバックヤードとしての祝園弾薬庫の拡張というのは誰の目にも明らかですが、祝園弾薬庫の周辺には、ここにも住宅地が広がって、国会図書館や精華町役場も近距離に位置をしています。

 私も現地に行きましたが、基地のフェンスを隔ててすぐのところに京都府立大学の敷地になっているところがあるんですね。畑がありました、農学部のキャンパスで。学生や教職員の姿も見えました。まさにそれくらいこの弾薬庫のすぐそばに暮らしがあり、学びの拠点があるということなんです。

 お聞きしたいんですが、一九六〇年に当時の防衛庁と精華町が交わした確認書について、当時の町民が、これは苦渋の決断で条件付で自衛隊の使用を認めることになったわけですが、その条件がこの確認書であり、大変重い意味があるというふうに思います。契約的意味合いはないというのが防衛省の見解ですが、そもそも、ここに書かれてある、弾薬の量を増やすときは事前に町と協議するとかいう内容は、確認書があろうがなかろうと、当然守られるべきだと思うんですね。

 資料三にその確認書の中身を提示しておりますけれども、これだけ危険な場所にある弾薬庫を増設をする、あるいは保管する弾薬の量を増やすというのが今進んでいる計画だと思いますが、隣接する精華町と京田辺市に事前に協議はされているのでしょうか。


田中政府参考人 お答えをいたします。御指摘いただきました確認書でございますが、委員から御指摘があったとおり、当時の防衛省に対して精華町から御要望があり、それに対して回答するという形で記録しておるものでございます。

 この内容については、御指摘いただいたとおり、契約的な意味合いを持つものではないというふうなことで、この点については、精華町とも一致をしているところでございます。

 したがいまして、弾薬の貯蔵量等の変更に際しまして、必ずしも本確認書に基づく事前協議が必要なものではない、そういう認識でございます。

 他方、祝園分屯地における施設整備につきましては、防衛省から精華町それから京田辺市に対しては適時必要な御説明をさせていただいております。地元の自治体の方から大量な御質問をいただいておりますので、それに対しての回答というものも丁寧にさせていただいているところでございます。

 引き続き、地元の自治体と緊密に調整をしてまいりたいと考えております。


堀川分科員 今のは質問にお答えになっておりません。事前に町や市と協議をしているのかということを聞いています。町や市といろいろなやり取りをされていることは存じ上げておりますが、それは説明であって、協議ではありません。もう一度お答えください。事前に協議されているのでしょうか。大臣、お願いします。


田中政府参考人 お答えをいたします。先ほど申し上げましたとおり、この確認書につきましては……(堀川分科員「確認書のことは聞いていません、事前に協議をしているのか」と呼ぶ)


西銘主査代理 二人でやり取りしないで。


田中政府参考人 いわゆる契約的な意味合いを持つものではないということで、この確認書に基づく事前協議が必要なものではない、そういう認識で町側とは認識が一致しているということでございます。


堀川分科員 これだけの弾薬庫の増設計画、事前に町や市と協議がないというのは、許されるべきではないということだというふうに思います。

 加えて、この間、現地の住民の方々が増設計画の住民説明会を何度も要望されておられます。先日も、近畿中部防衛局に対して、工事計画の説明でなく、弾薬庫の増設計画についての説明会を開いてほしいと要望をされました。しかし、開催を予定していないというのがこの間の回答です。

 これはなぜ開催されないのでしょうか、理由を教えてください。


田中政府参考人 お答えをいたします。先ほども御説明をさせていただきましたが、この祝園分屯地における火薬庫の整備につきましては、累次にわたりまして地元関係自治体からの御要望、御質問に対して、文書による回答、これは精華町に対しては五回、京田辺市には一回行っております。

 今後、工事を実施するに当たりまして、まずは、分屯地外での工事車両の通行など、工事に伴い周辺地域に影響を与える可能性のある内容等について、近隣地区住民への説明を行いたいと考えておるところでございます。


堀川分科員 工事計画の説明ではなくて、増設計画そのものの説明会を要望しておられます。この住民の皆さんの声は受け止めるべきだということ、応えるべきだということを申し上げたいと思います。  また、住民や自治体の方の大きな不安は、弾薬庫の増設がされていく中で、何か起きたときに住民の安全が守れるのかというところにあります。

 この間、先ほどもありましたが、防衛省は精華町や京田辺市と文書を通じて質問と回答のやり取りをされておりますが、その中で、精華町から次の質問がされています。保安距離がどれくらい確保されているのか、弾薬の搬出入ルートや日時は事前に地元自治体には通知するのか、弾薬の輸送中に敷地外で事故が起きたときどのような被害が生じるのか、地元自治体としての対応はどう想定すべきか、このような質問が精華町から出されています。

 これに対して、昨年一月三十一日付で近畿中部防衛局長から回答がされていますが、これはどういった回答でしたでしょうか。


茂籠政府参考人 お答えいたします。近畿中部防衛局長から精華町への回答の概要についてお答えをさせていただきます。  まず、先ほど委員御指摘の八番に該当するものですが、具体的な保安距離は、自衛隊の能力が明らかになるおそれがあることから、お答えを差し控えさせていただくことを御理解くださいとお答えしています。  十五番につきましては、弾薬輸送の安全を確保する観点から、輸送の詳細に係るお答えは差し控えさせていただくことを御理解ください。

 二十五番につきましては、万が一事故が発生した場合、事故対応の形態はその時々の状況により変わるため一概にお答えすることは困難ですが、自衛隊内で完結するように努めます。

次の二十六番につきましては、保管時と同様、意図しない火災等の事故が発生しないよう万全を期すことが重要と考えております。

 最後に、二十七番につきましては、何重にもわたる安全措置により、意図しない燃焼や爆発が起こらないよう万全を期していく考えです。このようにお答えをしているところでございます。


堀川分科員 住民の命を保障する根拠を何ら示していないというのは、住民の安全を軽視しているとしか言いようがありません。また、火災等の事故について聞いているんですけれども、発生しないように気をつけるということでは回答になっておりません。余りにもずさんな回答だと言わなければなりません。

 この二十五の回答で、敷地内で事故が発生した場合は自衛隊内で完結するよう努めるというふうにされていますが、これは自衛隊内で完結しなかった場合どうされるんでしょうか。


中谷国務大臣 自衛隊内で完結をしなかった場合には、地域の消防、救急といった部署と連携して対処することとなると考えております。

 現在も岩手県で大きな山火事が起こっておりますけれども、このような場合においても、官邸に対策本部を設けまして、あらゆる手段を講じて消防に努めるということでございますが、自衛隊内で完結しなかった場合には、地域の消防、救急といった部署と連携して対応するということになろうかと思います。


堀川分科員 地域の消防と連携をするというふうにおっしゃいましたが、事前に弾薬の搬出入ルートだったり日時も地元自治体には伝えない、その上で、弾薬の中身についても消防には伝えていないということを地元消防から確認をしています。いざ何かあったときに住民の命を保障するということが余りにも想定されていないし、根拠が示されていないということは明らかだというふうに思います。  最後に、確認書の項目一つ目について、これは申し上げるだけになるんですけれども、「核兵器は将来に亘り絶対に貯蔵しないこと」と。これは確認書以前のこととして当然のことだというふうに思いますが、舞鶴と同様、絶対にあるべきではないということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。